후리가나로 읽는 일본 고전
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
本庄 陸男의 石狩川(いしかりがわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 253,535자 · 506화면
「ご祐筆――それなれば」と阿賀妻は相田清祐の赭ら顔をじっと見あげた。答えを待った。その殿はどうお考えであろう、と、一ばん側近の老人に伺っているのだ。
「談合せよとおおせられて」
「ああ、ああ、ああ――」と、悲鳴のように叫び、阿賀妻は手をふってそれから先の言葉をうち消した。両手をついた。ぽろッと涙がこぼれた。
人々は度胆をぬかれ、あッけに取られた。
「相田どの――」と阿賀妻はむせびながら云うのであった。
「おゆるし下さい、自分こと、貴殿の顔をその戸口に見た刹那、あるいは殿のお考えがそういうことに定まったか、と、ああ、よかった、よかった――安倍どの」と彼は誠之助に向きなおった、「よく云って下さった、そのご親切にあまえて明一日だけこの場の決定を延ばして下さらぬか、この惜しくもない生命を拙者に預けて下さらぬか、われらの考えを一日だけおし通させて下さらぬか」
「二日でも三日でも」と、戸田老人の声が口ごもって聞えた。
「しからば――」と彼は立ちあがった。久しぶりで長刀を帯びた。みだれた襟をととのえて、「なん時ごろか、夜半にはまだ間があろうと思うが、誰か――」
戸を蹴るようにして彼の妻女が駈け込んで来たのである。