후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控(二)八人芸の女(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 144,562자 · 291화면
女はひどく恐縮して、二人へ弁解をするともなく、顔の袖を取りました。堤の掛行灯は少し遠過ぎますが、ちょうど田圃の上へ出た月が、その素晴らしい容貌を、惜しみなく照し出します。
「お急ぎのようだ、構わず行きなさるがいい。まだ花見の往来があるから、物騒なことはあるまい」
「有難う存じます。船がツイ竹屋の渡しの手前に待っておりますから」
「それじゃ、ほんの一と丁場だ、――送って上げるのも気障だ。酔っ払いか何かに絡み付かれたら、大きな声を出しなさるがいい」
平次は月明りのまだよく届かない橋の下蔭を透しながら、行届いた注意を与えております。
「銭形平次親分という荒神様が付いているんだ、――とな」
「余計な事を言うな、馬鹿野郎」
「ヘエ」
ガラッ八の凹む顔を見て、女は始めて微笑みましたが、そのまま物優しく小腰を屈めると、踵を返して竹屋の渡しの方へ急ぎます。
土手の人足は至って疎らですが、川面は夜桜見物の船が隙もなく往来し、絃歌と歓声が春の波を湧き立たせるばかりです。
「何か間違いがあったらしいな」
平次は三囲の前に来た時、堤の下を覗きました。そこに繋いだ一艘の屋根船の中には、上を下への大騒動が始まっているのです。