일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

野村 胡堂의 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,455자 · 290화면

아오조라 문고

越後屋から迎えを待つまでもなく、ガラッ八は今戸へ駆け付け、庭口からそっと例の部屋へ入り込みました。

飲み物も食い物もフンダンに用意させましたが、人が来ることは誰にも話させず、下女のお駒も、宵のうちから床へ入れて楽寝をさせ、佐吉一人、淋しく待っているところへ、八五郎が行ったのですから、佐吉の喜びというものはありません。

半分は手真似で物を言って、長火鉢を間にした差向い、妙に黙りこくって飲んでいると、やがて、亥刻(十時)過ぎ。

雨戸は一種のリズムを持って、トン、トン、トンと鳴ります。八五郎は懐の十手を抜いて、そっと立上がると、

「待って下さい。私の顔を先に見せなきゃア、逃げるかも知れません」

佐吉もすっかり胆が坐った様子で、八五郎を押えると、雨戸へ手を掛けてサッと押し開けました。

闇から湧き上がったように、サッと吹込む一団の吹雪、それに包まれると見るや、

「あッ」

佐吉は額を押えて縁側へ倒れました。

「曲者ッ」

続いて飛出す八五郎、一気に闇の庭へ、跣足で飛降りましたが、四方は塗り潰したような大吹雪で、黒い犬っころ一匹見付かりません。

引っ返してみると、額から頬へ見事に斬り割かれた佐吉、ようやく起き直って、血だらけな半面を両手で押えているのでした。