후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,455자 · 290화면
「…………」
平次は黙ってその先を促しました。
「あさっての方を向いて、煙草を輪に吹く姿の憎々しさ。ツイ、かっとなって、後ろから頸筋へ手拭を巻いてしまいました。――あとは無我夢中、気の付いた時は、ここへ帰って来て瘧のように顫えておりました」
「…………」
「親分さん、私はたしかに音次郎を殺しました。すぐにも名乗って出る心算でしたが、親分と一緒に川越屋へ行って、お染の無事な顔を見た時、すっかり考えが変ってしまいました。せめて、十七年目で、父娘の名乗合いをするまで、隠せるものなら隠しおおせようと、こう思い定めたのでございます」
「…………」
老巡礼の百松は、平次の裾に縋り付いて、無い歯を噛みしめながらむせび泣くのです。
「今晩、柳原から娘が来るはずになっております。たった一晩、名残を惜しませて下さい、親分さん。――あれ、そう言ううちにも、誰か、門口へ来た様子――」
神経の極度に立っている百松は、門口の跫音を聴き付けて、もうフラフラと立ち上がるのでした。
廊下を踏む女の跫音。
「父さん」
破れた唐紙は外から開いて、パッと飛込んで来たのは匂うばかりのお染、一塊の花束のように、ヨロヨロと立ち上がった百松の両腕の中へその身体を投げかけたのです。