후리가나로 읽는 일본 고전
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 魔術師(まじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 139,264자 · 280화면
明智は一艘の小舟に身を托して、遙かに明滅する、どことも知れぬ燈台の光を頼りに、腕の限りオールをあやつらねばならなかった。
一難についで又一難、今まで不気味な程静まり返っていた天候は、恐ろしい大暴風の前兆であったのだ。海の人々は、あの十一月十八日の夜の、際立った天候の変化を、今も語り草にしている程だ。同じ夜三艘の漁船が行衛不明となった。賊の快速船さえも、この暴風を乗り切って、近くの避難港へたどりつくのがやっとであった。
その死にもの狂いの避難中、賊の一人が船尾につないだボートがなくなっていることを発見して、大声に呼ばわった。だが誰一人それを怪しむものはなかった。暴風が舫索を吹きちぎるのは珍らしいことではないのだ。
明智は真黒な水の小山、水の谷底を、根限り漕ぎまくった。滝津瀬の様に、頭上から降りそそぐ鹽水の痛みに、目は盲い、狂風の叫び、波濤の怒号に、耳は聾し、寒さに触覚すらも殆ど失って、彼はただ機械人形の様にめくら滅法にオールを動かしていた。
無論方角などはとっくに分らなくなっていた。引返そうにも、賊の本船からは已に遠く遠く離れている。
恐らくは一つ所をグルグル廻っていたのであろう。