후리가나로 읽는 일본 고전
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 魔術師(まじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 139,264자 · 280화면
だが、ボートは進まずとも、波の小山の方で、次から次と、息をつく間もなく、迫って来た。小舟は空を突くかと波の小山の頂上へ乗り上げ、次の瞬間には、暗闇の地獄の底へと逆落しだ。小山の中腹に突入すれば、上下左右ただ渦巻く水であった。その中で、人と舟とは殆ど離れ離れになってしまった。そんな時、明智は腹の底から本能的にこみ上げて来る、ギャアと云う動物的な叫声を止めることが出来なかった。
アア、大自然の偉力の前には、小ざかしき人間の智恵や腕力は何のせんすべもないのだ。流石の名探偵も、渦巻く怒濤、山なす狂瀾に対しては、みじめな一箇の生物に過ぎなかった。いや、彼の身辺に同じ様に波にもまれている、一片の木切れとすら選ぶ所はなかった。
さて、この思うだに無残なる悪戦苦闘の後、彼はよく海上五里の波浪を乗切ることが出来たであろうか。或は湾内航行の大汽船に救上げられる好運に廻り合うことが出来たであろうか。それとも若しや、若しや……
果して翌々日二十日の朝に至って、東京市民は驚くべき悲報に接しなければならなかった。その日各新聞の朝刊は、筆を揃えて、名探偵哀悼の記事を掲げた。A新聞は曰く、