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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
佐藤垢石『『たぬき汁』以後』。同一底本的分册已合并为一书。收入:泡盛物語、岩魚、烏恵寿毛、越後の闘牛、岡ふぐ談、香熊、熊狩名人、猿ヶ京、支那の狸汁、しゃもじ(杓子)、食指談、純情狸、食べもの、飛沙魚、鯰、入社試験、魔味洗心、老狸伝、わが童心、ミミズ酒と美女。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 页
なにはともあれ、やはり店に酒類を置かねばしょうばいにならない。四斗樽は既に呑み干して空になったのであるから、その補充について問屋へ相談に行った。
そうですか、腹へ入れて置けば一番安心ですがね――。
これからの日本酒は陽気を食いますから、こうしなすっちゃいかがです。電気ブランがよいと思いますが。
電気ブラン?
ご存じでしょうがね、これは重宝なんですよ。一升八十銭が卸値ですがね。それをそのまま小さなコップに注いで売れば電気ブラン、これは強いですよ。少し水で増量してコップに注いで売れば、それがウエスケ。電気の方は一升で小さなコップに五十杯は取れましょう。一杯十五銭に売って、七円五十銭の売りあげ、水を混ぜてウエスケとすれば八十五杯は取れる。一杯十銭と見て、売りあげが八円五十銭。日本酒よりもこの方が商いがやりやすうございますよ。
酒問屋の番頭は、商売の秘法を教えてくれた。まことにありがたい。
直ちに、電気ブランを一升仕入れた。しかし変わらず店に客は少ないのであるから、私は毎日電気ブランばかり呑んでいた。十五日間ばかり続けて呑んだら、顔が丸くぶよぶよにむくんで、青灰色に化けた。