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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
佐藤垢石『『たぬき汁』以後』。同一底本的分册已合并为一书。收入:泡盛物語、岩魚、烏恵寿毛、越後の闘牛、岡ふぐ談、香熊、熊狩名人、猿ヶ京、支那の狸汁、しゃもじ(杓子)、食指談、純情狸、食べもの、飛沙魚、鯰、入社試験、魔味洗心、老狸伝、わが童心、ミミズ酒と美女。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 118,470 字 · 244 页
文化天保のころが、この闘牛全盛の時代であったように想像されるから、闘牛の歴史は馬琴時代よりもさらに古い発生であるのではあるまいか。
馬琴は、自ら古志の国へ旅して二十村郷の闘牛を見物したのではない、と、自ら八犬伝のうちに付記している。これは、随筆北越雪譜の著者南魚沼郡塩沢の里長鈴木牧之から庚辰三月二十五日に伝聞した実況で、牧之は村政や筆硯多忙のために、雪譜中へ闘牛記を収めることができなかったから自分が代わって八犬伝中に記したのだ。と、馬琴は断わっている。
日本闘牛は、越後のほかに土佐と能登にあったのであるけれど、いまは亡びてしまって見ることができない。また奥州南部地方にも昔から、牛を闘わせることが行なわれたが、ちかごろは甚だ衰微して振るわなくなった。
だから、闘牛を見物しようとすれば、この越後の国へ旅するほかないのだ。幸い、この八月十七日に二十村郷の竹沢村に六十頭の前頭、大関、横綱級の巨牛が出場して、火花を散らして闘うことになっているから、ぜひ案内したいものだ。スペインの闘牛は、人間と牛との戯戦でその振舞にどことなくケレンを感ずるという話であるが、越後の闘牛は、牛と牛とが真剣になって闘うのであるから、八百長などというのは、微塵もない。