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ヨブきこうえん
ヨブ記講演
内村 鑑三
丸の内の大日本私立衛生会館における内村聖書研究会においてのヨブ記講義、1920(大正9)年4月25日~6月27日、9月12日~10月10日、10月24日、11月21日、12月19日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 92,828 字 · 185 页
ヨブ記著作の時代において、昴宿の永久的不変と、参宿の漸々的分散とが、天文学上に解っていたとは断じがたい。しかし最近に発見せられたるこの科学上の新事実を以て、ヨブ記のこの語を鮮かに解き得るというは面白き事である。
◯「汝十二宮をその時に従いて引出し得るや」とは何を意味するか。「十二宮」とはいわゆる黄道十二宮にして、地球より見て太陽の通る道に当る十二の星座を指すのである。そしてその現わるる期節は各々異なるのであるから「その時に従いて引出し得るや」というたのである。また「北斗とその子星を導き得るや」とは北斗七星が北極星の周囲を廻りつつあるを捉えて、汝この事を為し得るやと問うたのである。すなわち十二宮の各星をその時に適うよう誤りなく東方に上らしめ、かつ北斗七星を北極星の周囲に動かす事の如き、到底人力の為し得ざる処にして、そこに全能者の力と智慧を認めざるを得ずとの意味である。(今日の人にして十二宮の名を知れる人またこれを天において認め得る人が幾人あるか。数千年前の天文学の侮るべからざると共に、ヨブが信仰家なる外にまた天然学者なりし事を知るのである)。
◯ヨブは右の如く天の星を見た。