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ヨブきこうえん

ヨブ記講演

内村 鑑三

丸の内の大日本私立衛生会館における内村聖書研究会においてのヨブ記講義、1920(大正9)年4月25日~6月27日、9月12日~10月10日、10月24日、11月21日、12月19日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 92,828 字 · 185 页

青空文庫

第十八講 ヨブの見神(二)

第三十八章の研究

思うだに心躍る所の、荘大といい厳粛といい優美というも到底いい尽し得ぬ所の、光景の中に造られたのである。

◯しかり、地はかかる大讃美の中に勇しく生れ出でたものである。既にかかる地である。神が造りかつ治め給うかかる地である。かかる讃美の中に生れて神に治めらるるこの地である。そしてかくの如き地に生を享けたる人である。さらば人よ無益なる不平や疑惑を去れ。諸星と天使との大讃美大歓呼の中に生れし地に住みて、心に讃美の歌なく歓呼の声なくして生くるは酔生夢死である。小さき理知の生む悶えと疑いを去りて、星と共に、天使と共に、神とその造化とを讃美しつつ、意義あり希望ある生を送るべきである。

◯ああ人は無知にして造化の秘義を知らぬ。そして独り悶えている。しかるに人の立つ所の地の造られし時において、全宇宙の讃美歓呼があったのである。神は地とその上に住む人を空しく造ったのではない。されば我らは地を見てそこに神の愛を悟るべきである。そして安ずべきである。

第十八講 ヨブの見神(二)

第三十八章の研究

◯第三十八章の一―七節は前講の主題であった。造化の妙趣の中に神を悟るべしというがその根本精神である。