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ヨブきこうえん

ヨブ記講演

内村 鑑三

丸の内の大日本私立衛生会館における内村聖書研究会においてのヨブ記講義、1920(大正9)年4月25日~6月27日、9月12日~10月10日、10月24日、11月21日、12月19日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 92,828 字 · 185 页

青空文庫

第十七講 ヨブの見神(一)

第三十八章の研究

信仰よりも希望よりも最も大なるものは愛である。

第十七講 ヨブの見神(一)

第三十八章の研究

◯余はヨブ記の絶頂たる十九章を講じて後ち病を得、数回この講壇を休むのやむなきに至った。詩人バイロンは大なる天才であったが、三十八歳を以てこの世を去った。ある人この事を評して、彼はその発見せる真理のあまりに大なるため殪れたのであるというた。余は自ら真理を発見したためではないが、ヨブ記十九章までに含まるる真理の余りに大なるに接して病を得たのである。依て余は最初の計画に変更を加え、二十章以後を逐章研究することを罷めて、最後の数章のみを講ぜんと欲する。すなわち「第三回論戦」と「エリフ対ヨブ」の条を歇めて、最後の「エホバ対ヨブ」を講演の題目とするのである。

◯ヨブは十九章において希望の絶頂に達した。そして二十章以後においても、種々の貴き事を示されるのである。三友人は依然として彼の攻撃に全力を尽せどもヨブは従来の如く激せず、受けた攻撃の主意を自分一己の事とせず、これを人類全体の大問題として考察する。例えば「神の支配するこの世において善人にして衰うる者あり、悪人にして栄ゆる者あるは何故ぞ」