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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
従って自然に人工を加えるには、綿密な考察と研究とが必要である。信濃川の改修工事によって、今日新潟市がどんどん海中に没しつつあるということなども、そのよい例であろう。
土壌保全の立場からも、こういう知識は大いに必要であるが、国土の綜合開発というような問題もまた、この種の基礎資料を欠いては、到底満足には行ない得ないはずである。たとえば石狩川流域の綜合開発計画の一つに、石狩から苫小牧に通ずる運河の計画も提案されている。ところが、その計画には、こういう事実は全然考慮にはいっていない。もしそういう運河を造ろうとするならば、石狩川がまたどういう変化をするかを、細心に検討しておく必要がある。現在の状態でも、毎年春さきだけで、二百五十万トンの浮泥量が運ばれてくるのであるが、それを湿土の体積になおすと、二百十万立方メートルになる。この巨大な量のいく割かが、もし運河の中に堆積したならば、たいへんなことになるであろう。五万分の一の地図をひねくるだけで、綜合開発は出来ないのである。
石狩川が一年に三百万トンや五百万トンの土壌を海へ流しても、それは「亡び行く国土」というような、大げさな問題ではないといわれるかも知れない。