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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

一トン一万円として、五十万円になる。月に五十万円の湯に浸っているのであるから、少しくらい気宇宏大になってもふしぎではない。だから温泉のほうがのびのびするはずである。

「温泉の湯は、またがなくてもいい」というのは、けっきょくは、無尽蔵に近い地熱という資源を、ふんだんに使うということである。一つの湯口でも、年に五百万円くらいの石炭に相当するわけであるから、まことに景気のよい話である。全国の温泉の湯口が、いくつあるかは知らないが、少なくも数万個はあるであろう。かりに手近なもの二万個をとってみても、それだけで石炭に換算して、一千億円分の熱量を、一年に流していることになる。数値は少しくらい違ってもいいので、とにかくちょっと常識を超絶する莫大な熱量であることだけは確かである。

ところで温泉のもってくる熱量くらいは、地熱からみたらそのほんの一部にすぎない。文字どおりに九牛の一毛である。だから地熱のほんの一部でも、もし巧く利用することができれば、これまた日本の重大なエネルギー資源となる。日本には雨と雪とが非常に多い。したがってきわめて豊富な水資源に恵まれていることは、今日ではようやく常識になりつつある。