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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

日本は、田舎と都会との生活程度が非常にかけはなれている。これは日本の政治が悪いので、昔から田舎の人たちの生活を犠牲にして、都会をよくするようなやり方をしてきた。

道路にしても、家にしても、道を歩いている人の服装にしても、田舎と都会とではひどいちがいである。銀座の通りには、いつでも一杯になって大ぜいの人が歩いている。そのどの一人を見ても、綺麗な洋服を着て、本皮の靴をはいている。そして喫茶店へはいったり、飾窓をのんきそうに覗いたりしている。田舎の人は生涯ああいう暮しを知らないで過す。しかしああいう人たちの食べる食糧は、田舎の人たちが生産しているのである。ところが、大都会で育った、とくに金持の家に生まれた子供は、そういうことを知らない。大きくなってから、本で読んで知識は得られるかもしれないが、本当の田舎の生活はそういう人には分らない。日本の本当の姿を知るためには、田舎で育つ必要がある。その意味で、私は子供の時代を田舎で過したことを、非常に幸運だったと思っている。

私の家は、田舎の温泉地で、呉服だの雑貨だのを売っていたのであるが、父が中年から九谷焼に凝り出し、庭にかまを造って、自分で九谷焼をやくという熱中ぶりであった。