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「もくせい」ごうのなぞ
中谷宇吉郎集 第六巻
中谷 宇吉郎
中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页
どうしてそういう経営が出来るかというに、まず人手の問題が第一である。驚いたことには、百五十町歩近い蔬菜栽培という難事業が、主として家族の労働力と、親類の人一人の援助だけで経営されている。家族は前田氏夫妻の外に、男の子が二人、女の子が三人である。娘さんたちは、学校がすむと、自動車で家へ帰り、着物を着かえて農場に出る。そして暗くなるまで、真黒になって働くのである。
こういうとすぐ「封建的な親」という非難が出るかもしれないが、アメリカでは親を助けて働くことは、封建的ということになっていない。この子供たちは、いわゆる二世で、純粋な米国人なのである。日本語も少しは分るが、初めからアメリカ人としての教育を受けているので、日常生活は全部英語である。家庭でも英語でないと話が通じない。もっとも親は英語を聞く方は分るが、話す方は片言くらいしか喋れない。子供はその反対である。それで親子の会話は、親が日本語を話して子供が英語で答えるという、きわめて妙なものである。そういう親子の間でも、子供はよく親の言い付けをきいて、また実によく働く。しかし働くだけ働いたあとには、思い切って愉快に遊ぶ。