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「もくせい」ごうのなぞ

中谷宇吉郎集 第六巻

中谷 宇吉郎

中谷宇吉郎『中谷宇吉郎集 第六巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「もく星」号の謎、温泉2、海底の散歩、吉右衛門と神鳴、国際雪氷委員会のことなど、古代東洋への郷愁、身辺雑記、長岡と寺田、八戒に遭った話、亡び行く国土、牧野伸顕伯の思い出、湯川秀樹さんのこと、露伴先生と神仙道、私のふるさと、私の履歴書、ケリイさんのこと、コロラド通信。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 130,784 字 · 269 页

青空文庫

五丈原に将星の落ちるのを見て、孔明の死を判ずるというような例は、枚挙にいとまがない。占星術は、中国と限らず、西洋でもごく近世まで甚だ盛んであった。それは近世の科学が確立される以前の人類に共通の現象である。日本で阿倍晴明などが、大いに天文を案じたのは、もちろんずっと後世のことで、初めて占星台を築いたのは、天武天皇の御世であった。天武天皇の時代といえば、ずいぶん旧い話であるが、それでも今問題としている時代よりは、千年もおくれた唐の初期である。この流儀の陰陽家の生命が非常に長く、唐の頃までなお勢力があって、日本まで伝わったものであろう。陰陽家の他の一つは、陰陽交替の理から兵法を説いたもので、後の『参同契』とは余り関係がない。

五行家は、森羅万象が、火水金土木の五要素から成るとし、この五行の相剋相生、並に陰陽二気の順列組合わせによって、宇宙及び人生のすべての変化が支配されると説く一派である。そしてこの原始的信仰に基づいて、自然及び人生のあらゆる問題を解こうとするものである。六十四の卦というものがこれから生まれ、それが現代までも根をひいている。卦などといっても、単なる順列組合わせに過ぎないので、他愛のないものといえば、それまでのことである。