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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
「生命の川 第一巻第二号~第二巻第二号」1916(大正5)年11月16日~1917(大正6)年3月5日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 页
おからだにさわってはなりません。
親鸞 ありがとう。
僧一 ではまた後ほど。
僧二 お大切になされませ。
僧一、僧二退場。親鸞目をつむり、考えに沈む。
小僧 (登場)暗くなりました。火をつけましょう。(行灯に火をつける)
親鸞 唯円はどうした。
小僧 お午下がりに用たしに行って来ると言って出られました。もうお帰りになりましょう。晩のお勤めまでには帰ると申されましたから。
親鸞 そうか。
小僧 今夜はお気分はいかがでございますか。
親鸞 おかげでいい気持ちだ。きょうはお庭を掃除してくれて御苦労だったね。
小僧 しばらく手入れを怠るとすぐに雑草がはびこりますからね。
親鸞 くたびれたろう。今夜は早くお寝み。
小僧 はい。では御用があったら呼んでくださいませ。(退場)
本堂から晩のお勤めの鐘が聞こえる。
親鸞 (寝床の上にて居ずまいを正し)南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。(目をつむる)
唯円 (登場)ただ今帰りました。(手をつく)
親鸞 あゝ、お帰りか。
唯円 おそくなりました。
親鸞 どこへ行きました。
唯円 木屋町のほうまで行きました。
親鸞 そうか。
唯円 暇どってすみませんでした。お夕飯は?