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しゅっけとそのでし

出家とその弟子

倉田 百三

「生命の川 第一巻第二号~第二巻第二号」1916(大正5)年11月16日~1917(大正6)年3月5日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 121,812 字 · 248 页

青空文庫

第三幕

第一場

なんなら案内をさせてあげますよ。

同行一 はいありがとうございます。

この時夕方の鐘が鳴る。

唯円 お師匠様。夕ざれて、涼しくなって参りました。もうお居間でお休みあそばしませぬとおからだにさわりますよ。

同行四 どうぞお休みなされてくださいまし。

同行五 私たちはもうお暇申します。

親鸞 いや、今夜は私の寺にお泊まりください。これから私の居間でお茶でも入れて、ゆっくりとお話しいたしましょう。(弟子たちに)お前たちもいっしょにいらっしゃい。唯円、御案内申しあげておくれ。

親鸞先に立ちて退場。皆々立ちあがる。

唯円 さあ、どうぞこちらにお越しなされませ。

――幕――

第三幕

第一場

三条木屋町。松の家の一室(鴨川に臨んでいる)

人物 善鸞(親鸞の息)      三十二歳

唯円

浅香(遊女)        二十六歳

かえで(遊女)       十六歳

遊女三人

仲居二人

太鼓持ち

時  秋の日ぐれ

遊女三人欄干にもたれて語りいる。

遊女一 冷たい風が吹いて気持ちのいいこと。

遊女二 顔が燃えてしょうがないわ。(頬に手をあてる)

遊女三 私は遊び疲れてしまいました。