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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页
た。牧がうまく自分を説き伏せ、家中の人々を感心させてくれたら――玄白斎は、自分の老いたことを感じたり、心弱さを感じたり、兵道家の立場の辛さを感じたりしながら
「疲れた――疲れたのう」
と、眼を閉じたまま、額を、握り拳で叩いた。
「爺っ」
一人の侍が、軒下から、大声に呼んだ。
「今、十二三人、見えるから、支度せえ」
「はいっ」
爺が、周章てて、走り出ると、侍はすぐ、番所の方へ登って行った。
「先生――牧の一行でござりましょうか」
玄白斎は、俯向いて、眼を閉じていた。
「うむ」
「十二三人とは、人数が少し、多すぎまするが――」
「多くない」
「はい」
市助が立って、暗い台所で、何か水に涵していた。そして、持って来た。
「和田」
と、云った。水に漬けた真綿であった。仁十郎は、手拭に包んで、いつでも鉢巻にできるよう、折り畳んだ。二人は、乱闘の準備をした。
「さあ、出来ました。お待ちどおさまで」
婆が、こういって、大儀そうに、上り口から、土鍋を運んで来た時、しとしと土を踏んで近づく音と、話声とが聞えて来た。
和田と、高木とが、眼を見合せてから、玄白斎を見ると、前のまま、俯向いて、眼を閉じたきりであった。