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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

在线阅读直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 页

青空文庫

今度も、三人というが、果して、三人か?――三人だけとは考えられないが――)

来る道で聞いても判らなかったし、登り口で聞いても、牧が、登ったか、何うかさえ判らなかった。

(夜に入れば、祭壇で焚く火が見えようが)

と、思ったが、夜、闘うのは、不利であった。それから、一刻も早く討ちたかったし、何よりも、義観が、この山で必ず、牧が修法を行うにちがいないと云う言葉を信じていた。

聖天と称されている仏を祭った山上へつづく道、茶店が、時々、曲り角に、そして、時々、参詣人が――。小太郎は

(この山でこそ――)

と、信じていたが、牧が来ているか、未だ、来ていないか? それを、茶店の主人に

「四五人連れの侍が、登らなんだかのう、ここ二三日前から、こっち――」

と、聞いた。

「さあ――御武家衆は、貴下、めったに――この山は、大阪辺の、町人衆のお詣りが、多うて、御武家は、なあ――」

と、主人は、首を傾けた。

「上の寺は、旅の者を、泊めてくれるかの」

「はいはい、喜んで、お泊めなさいます。お心持次第で、結構なお寺でございます」

小太郎は、自分達の一家の悲運を思い出すと、もう、これ以上に、努力する気になれなかった。