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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
「子供の科学」1946(昭和21)年3月~1947(昭和22)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 63,363 字 · 128 页
信用に背く人
課長が眼をむいて破顔した。
「あ、これは失言しました。あははは、とんだ失礼を……」
そういって蜂矢探偵は軽く会釈すると、部屋をでていった。
信用に背く人
「課長さん。幽霊を本気でこの部屋へ呼びこむんですかね」
古島老刑事は、蜂矢探偵の姿が消えると、さっそく課長の机の前へいって詰問した。
「もちろん幽霊なんてものを捜査課長が信ずるものかい。そんなことをすれば、たちまち権威がなくなってしまう。しかし蜂矢と約束した以上、一応その幽霊実験をやらねばならない。どうせ幽霊はでやせんよ。その上で蜂矢を一つぎゅっとしぼってやるのだ、ちょうどいい機会だからな」
「すると、やっぱり幽霊をこの部屋へ案内しなけりゃならないのですね。いやだねえ」
「でやしないというのに……」
「いや、わしは幽霊がでてくるような気がしてなりませんや。課長、その気味の悪い紙包の中には一体何が入っているんですか」
「さあ何が入っているかな、調べてみよう」
課長は、蜂矢がおいていった紙包の紐をほどいて、机の上にひろげてみた。するとでてきたのは数冊から成る木見雪子学士の研究ノートであった。これは、木見邸に幽霊が現われるようになってから後に、誰が持去ったのか、研究室の卓子の上から消えてしまったものであった。