轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おんなはおなじものがたり

女は同じ物語

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1955(昭和30)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,279 字 · 44 页

青空文庫

とさわ女は注を入れた、「こんどこそお式を挙げることにします」

事は決定した。梶夫人がはっきり宣言した以上、誰に反対することができるだろう。梶家と安永家の往来が復活し、たちまち祝言の日どりがきまった。広一郎は祈った、「戻ってくれ紀伊、戻ってくれ」彼は空に向い壁に向い夜の闇に向って呼びかけた、「どうしたんだ、紀伊、いつ戻って来るんだ」そしてまた云った、「おれは待っている、おまえを信じて、最後のぎりぎりまで待っているぞ」

紀伊は戻って来なかった。祝言の日が近づき、ついにその当日になった。紀伊はまだ戻って来ない、だが彼は望みを棄てなかった。梶家には客が集まり、彼は着替えをさせられた。花婿姿を鏡に写しながら、やはり彼は待った。紀伊は必ず戻って来る。紀伊は誓いをやぶるような女ではない、必ず戻って来るに相違ない。――そのうちに時刻が迫り、花嫁が到着した。仲人は次席家老の海野図書夫妻である、定刻の七時が来、式が始まった。

白無垢に綿帽子をかぶった花嫁と並び、祝言の盃を交わしながらなお広一郎は紀伊を待った。紀伊はまだあらわれない、盃が終り祝宴に移った。賑やかで陽気な酒宴が続き、花嫁は仲人に手をひかれて座を立った。