轻松读懂日语经典作品
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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页
何か奇観で、私が思わず足をとどめると、
「あれ、一組十銭よ」と美佐子が言った。
「――え?」
「一晩借りるのが十銭」
「――なるほど」
トラックにのぼった男が、貸蒲団らしい薄っぺらなのを、蓆でも扱うように鋪道にじかにストンストンと落している。
「――楽屋泊りも、今思い出すと楽しかった」
「…………」
「お座敷で踊って、おいモダンさん、俺の方にも酌してくれナンテ言われるようになっちゃ、おしまいね。来年はいっそ旅に出ようかしら」
その日、昼はそうでもなかったが、深夜になると急に冷えてきた。首を縮めて鋪道を急ぐ人々の小刻みの足音が、暗いととみにだだっ広く見える国際通りの、黒い河のようなさむざむと光ったその面に、ざわざわと立ちこめていた。音は空へのぼらないで地を低くはっているようであった。
「――それとも、いっそ末弘さんと夫婦になって漫才でもはじめようかしら」
「夫婦?」
「ええ、末広さんと組んで……」
菰被りの上に名入りの提灯をいくつも張り出した馬肉屋の店先では、若衆が熊手を預る台を組んでいた。
「但馬がお正月には東京へくるッて言ってきたわ。この間、手紙で――。あたし、倉橋さんのこと但馬に手紙で書いてやったの。