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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页

青空文庫

――これは、たしかに並んで踊ったらおかしなものだ。いや、おかしいといっては気の毒だ。私はその光景を想像するまでもなく、そうしたチグハグな踊り子の踊りを実際見ている。はつらつたる肉体に混っての、年のいった、身体の崩れた踊り子の、なんと惨めな恰好よ。対比的に際立つ醜怪もさることながら、敗残的なその姿は目を蔽いたいくらいだ。……

「いい年って、失礼だが」

「ほんとに失礼だわ」

眼に媚びを、無意識的な媚びをたたえて睨むようにした。

私はぬるくなった茶を飲んで、

「そう言えば、公園の踊り子さんたちは、いつも子供ばかりだな。大きくなると、次々にやめて行って、――かわりにまた子供が出てくる」

私はこの数年、公園の舞台に花のようにパッと咲いてはいずれも花のように散ってどこかへいなくなってしまった実にたくさんのレヴィウの踊り子たちのことを考えさせられた。何か寂しい想いが胸に来る。

「どうしてやめるのかしら」

「だって、踊っていたってしょうがないんですもの」

「しょうがないといえば、しょうがないが……」

「――焼けたわ。お皿」

ほいきたと皿を渡しながら、

「――やはり舞台にあきるのかね」