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いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页

青空文庫

第五回 美肌

と朝野が遮った。「なんじゃね。それは」

そして嘲るような笑いを浮べて、

「じゃ、明日、一緒に楽屋へ行こう。倉橋君を小柳雅子に会わせよう。そして一緒に外へ出て、お茶でも飲もうじゃないですか」

「…………」

私は浅草のレヴィウの方に知り合いがないわけではなかったから、頼めば、そういう機会を持てたのだが、――頼み込むということが何かできないで、したがってそうした機会に今まで恵まれなかった。そして、恵まれる時が来た。――だが、私には何かためらわれた。

しかし朝野は独りできめて、

「明日アパートにいますな。夕方呼びに行きますわ」

朝野にキッパリときめられると、初めて、私は憧れの小柳雅子に会える喜びに、はっきりと直面することができた。喜びのためか、酒のためか、心臓がドキドキと鳴っていた。

「浅草のことなら、万事僕に……」

そう昂然と言って、(――私は昂然たる朝野を、ここで初めて見た。)朝野はポンと、はだけた痩せた胸を叩き、みずからよろめいた。

第五回 美肌

このおかしな小説も、これではや第五回目である。書きはじめてからすでに七カ月経っているのだが(五カ月でなく、七カ月という勘定の合わなさは、二カ月休載したからであるが、でなぜ休んだかというと、――エイ、そんなことはどうでもいい。