轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いかなるほしのもとに

如何なる星の下に

高見 順

「文藝」1939(昭和14)年1月号~1940(昭和15)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,508 字 · 236 页

青空文庫

見ると、――なんと、これはバカバカしいものだった。化粧品の効能書だ。化粧品を買ってここで函をあけて、それだけ捨てて行ったのだろう。相手がおとなしい雅子でなかったら、からかわれたと腹の立つところだ。とにかく、これでは雅子と話をする材料にはならない。バカバカしく、がっかりしたが、私はうっちゃることもできず、むずかしい顔をしていた。するうち、「植物性美肌素配合」という不思議な文字が私の眼を捉えた。「ショクブツセイ、ビ……」私はつぶやいた。

「ビ……ビハダソ、ハイゴウ……」

私はその紙をテーブルの上に置いた。テーブルは酒でベトベトしていた。

「これは、なんと読むんだろう。ビハダソ、――肌というのは、音はなんだろう。なんと言ったですかね」

なにを言い出したんだといった顔で、朝野が、

「肌? 肌の音?」

「うん」

「肌、――さアて。皮膚のハダですな。なるほど、なんというんだろう。――待てよ、ハダだね。身体ハップこれを父母に受くと……。髪とハダを傷つけちゃいけないと。ハップ。ハツは髪で、――ハダはプじゃなかったですかね。いや、いけねえ。プは皮膚のフか」

雅子は、ぽうッと上気した頬に、手の甲を押し当てて笑っていた。