轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

「朝日新聞 夕刊」1962(昭和37)年4月1日~10月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 201,379 字 · 394 页

青空文庫

その事業がおもわく違いなら云うまでもなく潰れるし、将来有望で発展性のあるものなら、たちまち大資本の手がのびてきて掠われてしまうのだ。

「なになにコンツェルンなどといってね、日本の財界なんてけつの穴の小さい、ガリガリ亡者の寄り集まりだよ、きみ」と彼は慨嘆する、「新しい事業が有望だとわかると、それを育てようとはしないで掠奪しにかかるんだ。まるで泥棒か強盗みたいにさ、日本の財界なんてきみ、まだ戦国時代そのままだぜ、未開国そのものだからね、まったく」

ばんくんはそんな話でも従順に聞いている。ちょっと信じられないことだが、彼ほどの怠け者であらゆるものごとに関心を持たない男が、春彦の話を聞く段になると、りっぱに責任をはたすのでおどろかされる。むろん話の内容が面白いとか、興味があるというのではなかった。彼は自分が聞き役であること、その役目さえ忘れなければ、寝食にこと欠かずに済むこと。こういう条件を肝に銘じてい、銘じたことを守るだけの良心、あるいは必要があるようであった。

ちょろはしばしば日本の財界と財界人、経済組織などに非難をあびせ、嘲弄し軽侮した。たとえば海外に進出する商社にしても、同一地区に五社の商社が開店する場合、五社ともよろず屋の如くあらゆる商品を売ろうとする。