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がくもんのすすめ

学問のすすめ

福沢 諭吉

「学問のすすめ」1872(明治5)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 87,080 字 · 170 页

青空文庫

の切れのごとき男を崇めて奥ゆかしき先生なぞと称するに至りしは、人間世界の一奇談なり。今この陋しき習俗を脱して活発なる境界に入り、多くの事物に接し博く世人に交わり、人をも知り己れをも知られ、一身に持ち前正味の働きを逞しゅうして、自分のためにし、兼ねて世のためにせんとするには、

第一 言語を学ばざるべからず。文字に記して意を通ずるは、もとより有力なるものにして、文通または著述等の心がけも等閑にすべからざるは無論なれども、近く人に接して、直ちにわが思うところを人に知らしむるには、言葉のほかに有力なるものなし。ゆえに言葉は、なるたけ流暢にして活発ならざるべからず。近来世上に演説会の設けあり。この演説にて有益なる事柄を聞くはもとより利益なれども、このほかに言葉の流暢活発を得るの利益は、演説者も聴聞者もともにするところなり。

また今日不弁なる人の言を聞くに、その言葉の数はなはだ少なくしていかにも不自由なるがごとし。譬えば学校の教師が訳書の講義なぞするときに、「円き水晶の玉」とあれば、わかりきったることと思うゆえか、少しも弁解をなさず、ただむずかしき顔をして子供を睨みつけ、「円き水晶の玉」