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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
そういう傾向は特に現代のアカデミックな教育を受けた若い学生の間に多いのみならず、また西洋でも二三流以下の学者の中にかなりに存在するように見える。この迷信の結果は往々はなはだしく滑稽な事になって来る。きわめて不適当あるいは誤った考えを前提としてそして恐ろしくめんどうな高等数学の数式を取り扱い、その解式が得られると、その数式の神秘な力によって、瓦礫の前提から宝玉の結果が生まれるかのような気がしたり、またその計算がむつかしくめんどうであればあるほど、その結果の物理的価値が高められるかのごとき幻覚を生ぜしめることもまれではないようである。しかし数学の応用は畢竟前提の分析である。鉛を化して金とする魔力はないのである。同じように立派な高価な器械を使えば使うほど何かしらいい結果が得られるというような漠然たる予感もやはり器械に対する一つの迷信である。いかに良い器械でも下手に使えば、悪い器械を上手に使うよりも悪い結果を得る例も少なくない。もっとも有りきたりの陳腐な方法を追求する場合には、器械の良いほど良い結果を得られるのは普通である。しかしほんとうな意味での新しい独創的の研究をするのに市場に売り古されて保証の付いているほど陳腐な器械ばかり寄せ集めてできたためしはおそらくないであろう。