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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第二巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:映画時代、子猫、解かれた象、相対性原理側面観、怪異考、比較言語学における統計的研究法の可能性について、化け物の進化、ルクレチウスと科学、蓄音機、亮の追憶、一つの思考実験、電車の混雑について、浮世絵の曲線、二十四年前、伊吹山の句について、池、路傍の草、備忘録、日本楽器の名称、Liber Studiorum、時事雑感。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 页
動植物は地から食物をとって生長する。従って彼らの中には共通な元子が多分に包まれている。しかし共通な元子からできても、その元子の結合のしかたや順序によって異種の物ができる。あたかも種々に異なる語に共通なアルファベットがあるようなものである。
しかし元子の結合のしかたにある定則があって、勝手放題なものはできない。そのために生物はその祖先の定型を保存し、できそこないの妖怪はできない。すなわちここで初めて遺伝の問題に触れている。
そういう事がどうしてできるか。それは動植物が摂取する食物の中で、各自に適当なものは残存し、不適当なものは排出されるからである。すなわちここにも「選択の原理」の存在を持ち出している。これと同じ事は無機界にも行なわれている。すなわち元子の結合にはある定まった方則が支配している。そのおかげで個々の一定の物質が区別されると考えるのである。これも化学におけるあらゆる方則全体の存在を必要とする根本原理を述べたものと見られる。
次にはすでに前にも述べたごとく、元子に可触的物体と同じような二次的属性を付与する事の不都合を詳述している。たとえば元子に色があるとしては、同じものの色の変化することを説明し難い。