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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页
「それはたしかに川上糸子でした」
「でも、川上さんは、いま、伊豆山の温泉にみえるはずです」
これを聞いた俊夫君は、とつぜん口を出しました。
「え? それは本当ですか」
「もとより確かなことは言えないですけれど、実は昨日、川上さんから絵ハガキが来たのでございます。それに、年内は帰京しないと書いてありました」
こう言いながら、近藤女史は立ちあがって奥へ行き、間もなく一枚の絵はがきを手にして入ってきました。俊夫君は、それを受け取って検べました。
「なるほど、一昨日出した手紙ですねえ。それにこれはたしかに川上糸子の筆跡です。川上糸子とあなたとはお近づきなのですか」
「はあ、川上さんは一週間に一度か二度は必ず美容術を受けに見えます。近頃は銀座あたりに二三美容院ができましたけれど、あちらは知った人によく会うので、うるさいと言って、こちらへお見えになりました」
「最後に川上糸子がこちらを訪ねたのはいつでしたか」
「伊豆山へ行かれる前日でしたから、今から十日ほど前です」
「伊豆山からハガキが度々きましたか」
「いいえ、それ一本きりです」
俊夫君はしばらくじっと考えてから言葉を続けました。