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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页
二
その時、実験室兼応接室の扉をたたく音がしました。私があけにゆくと、来訪者は、他ならぬ、警視庁の小田刑事でありました。
「やあ、Pのおじさんが来た。ありがたい!」
こう言って俊夫君は、うれしそうに小田さんのそばに駆けよりました。
「Pのおじさん、きっと、夕立を持ってきてくれたんでしょう」
と、俊夫君は、小田さんの汗を拭く手にすがって言いました。
小田さんは、俊夫君の言葉の意味が分からないので、きょとんとした顔をしました。そうでしょう、夕立を持ってくる人など世の中にありません。で、私は簡単に私たちが、たったいま話しつつあったことを告げました。
すると小田さんはにっこり笑って、テーブルのわきの椅子に腰をおろし、扇子を開いて、あおぎながら、
「いかにも、夕立を持ってきたよ」
と言いました。俊夫君の顔はうれしそうに輝きました。
「早く事件を聞かせてください」
小田さんに息つくひまも与えず、俊夫君は話をせがみました。
やがて、小田さんは私の差しだした冷やしコーヒーをすすって、事件の要頷を告げました。
二
芝区M町十番地に藤田又蔵という無職の老人がありました。以前高利貸しをしていたことがありましたが、最近は健康があまりすぐれないので、雇いの老婆と二人暮らしで、植木いじりなどをして日を送っておりました。