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こさかいふぼくしゅうはしがき

少年科学探偵

小酒井 不木

小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页

青空文庫

四

「本当にいいかい?」

「大丈夫よ」

と答えて小田さんの方を向き、

「Pのおじさん、僕の留守中に、念のため甚吉の右利きか左利きかを検べておいてください」

こう言って俊夫君は威勢よく出てゆきました。

四

「まったく、あの子は恐ろしいねえ」

と、小田さんは、俊夫君が去ってから、しみじみ言いました。そうでしょう、警察や検事局の人々が二週間かかっても分からぬことを、わずかに一時間あまりで、犯人の見当をつけるのですもの、小田刑事が、いまさらながら感嘆の声をもらしたのは当然です。

私は、俊夫君のほめられるのは、自分がほめられるよりもうれしいので、「本当に、天才以上です」と、相槌を打ちました。

「どれ、検事局へ電話をかけよう」

こう言って小田刑事は、係の検事を呼びだして、しばらく話し合っておられましたが、それから十五分ほどたつと、先方から返事があって、甚吉は右利きであるという通知を受けました。

「やっぱり、俊夫君の言うとおり、甚吉は犯人ではないらしい」

と、小田刑事は嘆息して言いました。

「それじゃ、いったい犯人は誰でしょうか、どうも、俊夫君の言葉だけでは、ちっとも見当がつきませんが」