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こさかいふぼくしゅうはしがき

少年科学探偵

小酒井 不木

小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页

青空文庫

この他なお穀物の粉末なども、紫外線に当たるとやはり光りはじめるのであります。

俊夫君は、叔父さんから水銀石英灯を買ってもらった当座、毎日、実験室にこもって色々のものを持ってきては紫外線を当て、電流の強さを色々に加減して深い研究を行い、いちいちそれを手帳に書きとどめておりました。

人間の髪の毛とか動物の毛とかあるいは血液とか尿とか、あるいは各種の絵の具とか、手紙に用いる封蝋とかあるいは衣服の繊維など手当たり次第に研究し、しかもある場合には立派に鑑別ができるので、俊夫君は有頂天になって喜び、それこそ寝食を忘れて実験室にとじこもり、十数日の後にはもう紫外線通となってしまいました。

「兄さん、何か一つ大事件があってほしいものだねえ。こんどはこの紫外線を使って探偵してみたいから」

とある日――それは四月のことでした――俊夫君は私に向かって言いました。

「そうだねえ、大事件といえば、この頃銀座の××宝石商を襲った賊はいまだに逮捕されないじゃないか。どうだね、あの事件など、紫外線では解決できぬかね」

と私は冗談半分に笑いながら申しました。

銀座の××宝石商は、東京でも屈指の大店で、時価八十万円の首飾りが、一夜盗賊のために盗み去られたのであります。