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こさかいふぼくしゅうはしがき

少年科学探偵

小酒井 不木

小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页

青空文庫

それは黒い日本紙を綴じたもので、中を開いてみても何も書いてありませんでしたが、俊夫君が水銀石英灯を点じて照らしますと、紙面に、蛍光を発して文字があらわれました。

「日記ですよ」

誰に言うともなく、こう言って俊夫君は熱心に各頁をはぐって読みました。

およそ三十分もかかって、その日記を読み終わり、看護婦に向かって、

「今日、本郷の田中病院長が見えたでしょう?」

と尋ねました。

「ええ、正午過ぎに見えて、たしかすぐお帰りになったようでした」

それを聞くなり俊夫君は、白井刑事に向かい、

「田中病院長をすぐさま逮捕してください」

と、申しました。

読者諸君、逮捕された田中病院長は果たして、木村博士の替え玉を殺した犯人でした。そうしてその白状によって一切の事情が明らかになりました。木村博士の替え玉は、俊夫君の推定のごとく、博士の双生児の兄弟でした。

兄弟ではあっても博士とはまったく性格のちがった悪人で、若い時分から支那へ行って、悪事をほしいままにし、田中病院長と友人となり、二人で上海あたりを荒らしまわっていましたが、三ヶ月ほど前に二人は東京へ来て大悪事を計画しました。