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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页
これを見た甚吉は、腰を抜かさんばかりに驚き、直ちにこれを付近の駐在所に訴え出たので、時を移さず警視庁から捜査班の人々がかけつけ、まず現場の写真を数枚撮影し、それから、式のごとく捜査を始めたのである。
被害者鈴木泰助はことし五十歳で、細君は数年来肺を病んで片瀬に療養し、夫婦の間に子供はなく、ことし二十五歳になる手代の甚吉をいっしょに住まわせて、昼間は二人とも日本橋兜町の店に行き、いつも夜遅くに帰り、食事は三度とも店の方でするので、女中を一人も雇わずに、いわば男所帯で暮らしていたのである。
死骸は蒲団の上に、寝衣を着てうつぶしになって横たわっていた。仰向けにすると、寝衣の前側と敷布は真っ赤に染まっていた。その血は左の心臓部の傷口から流れだしたもので、傷口の模様から見て、鋭利な短刀をもって刺されたらしかった。その他には別に傷がなかったので、被害者は一刀のもとに倒れたものらしく、あたりには格闘したらしい形跡がなかった。
また、殺害に使用された凶器はそのあたりに見られなかったから、自殺でないことはすぐに分かった。そうして、座敷の隅にあった用箪笥の小引き出しがこじあけてあって、中がからっぽになっているところから見ると、犯人は、金がほしさに殺人を行ったことが推定された。