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こさかいふぼくしゅうはしがき
少年科学探偵
小酒井 不木
小酒井不木『少年科学探偵』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「小酒井不木集」はしがき、深夜の電話、紅色ダイヤ、暗夜の格闘、髭の謎、墓地の殺人、塵埃は語る、白痴の知恵、玉振時計の秘密、頭蓋骨の秘密、自殺か他殺か、『少年科学探偵』序、紫外線、現場の写真、科学的研究と探偵小説。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,885 字 · 308 页
出てきたのは半紙半分の白紙でした。
「兄さん、この手紙を読んでごらん!」
と俊夫君は白紙を広げて言いました。私は手に取りあげようとすると、
「ああいけない。指紋を採るから触ってはいけない」
と申しました。けれど、何も書いてないのですから、読もうにも読みようがありません。
「何と書いてあるか分かるか?」
と俊夫君は得意げに聞きます。
「分からない」
「明礬で書いてあるんだ」
「では水に入れると分かるね?」
「ああ」
俊夫君は棚から、指紋を採る道具を出してきて、紙の縁のところに八パーセントの硝酸銀を塗り、窓際において日に乾かせました。しばらくすると、不完全な一つの指紋が黒くあらわれました。
「兄さん、写真機!」
写真機を持ってゆくと、俊夫君は手早く撮影し、後、黒塗り盆に水を満たしてその上へ手紙を広げて浸しました。果たして白い文字があらわれました。
「俊夫君、近いうちに大きな窃盗事件が起こるが、いくら君でも今度の犯人は見つかるまいよ」
と、毛筆で書かれてありました。
これまでたくさん犯人から脅迫状はきましたが、このように盗むことを予告する犯人はまだありませんでした。しかもどこに窃盗事件が起こるか、何が盗まれるか分からぬので、さすがの俊夫君も面食らったようでした。