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ぞくほうしこう

差別の根源を考える

喜田 貞吉

喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页

青空文庫

それもまた一つの水平運動ではありましょうが、永久の真の水平は、それでは求められません。なんとなれば、数において非常に違ったものの対立は、いつか優勝劣敗の破綻を来たす虞れがあるからです。真の水平運動とは、すべての差別を撤廃せしめて、永久に特殊部落なるものをこの世の中から消してしまい、渾然融和せる同一の帝国臣民たらしめんとするものでなければなりません。そしてそれは対世間的に、徹底的糾弾の手段を取るのみでは、到底実現されないのであります。

従来の徹底的糾弾なるものは、通例は多数集団の威力をもって、個人を反省せしめんとするものでありました。したがって多くの場合において、表面的にはその目的を達して、あるいは謝罪広告をなさしめ、あるいはその他の方法で反省の意志を表明せしめ、少くとも人のみるところにおいては、差別的の言語動作をさしひかえしめることができました。しかしながら、かえってその蔭において、いっそうの反感を抱くような無理解者があっても、それをどうすることもできなかったのであります。のみならず、もし被糾弾者が自衛のために、相連合してこれに備えるようにもなったならば、例えば奈良県の下永事件の如く、群馬県の世良田事件の如く、あるいはさらにそれ以上のとんでもない大騒ぎを演出しないともかぎりません。