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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
一向宗徒たるいわゆるエタは、畜生は殺すが人間の子は殺さない。殺生を非常にやかましく言う他宗の信徒は、案外人間の子を殺すのが平気であったのです。
一方同じ流れの落伍者の中でも、エタ以外のものは生活が困難でありましたから、百姓、町人らと同じく、あまり人口が増さなかった。のみならず、世人のこれを見る目では、いわゆるエタほどに穢れたものとはせず、これに接近することをそう嫌わなかったものですから、自然足を洗う機会も多く、あるいは世間に紛れ込んで、消えてしまったもの、あるいは世間と同化して、区別がなくなった者も多く、その人口は次第に減少しましたが、いわゆるエタのみは盛んに増殖しました。
過去においていわゆるエタの人口が、他に比していかに増加したかということは、維新後の状態をみても容易に想像せられるのであります。明治四年に内地の住民約三千三百万、いわゆるエタの数が約二十八万三百、そのほか非人雑種の者をことごとく集めたところで、三十八万を越ゆること、そう多くはなかったのです。ところでそれが今日ではどうでありましょう。一般民ももちろんはなはだしく増加しました。徳川時代を通じてそう増さなかった日本人は、六十年後の今日では約五千八九百万として、約八割の増加を示しておりますが、いわゆる特殊部落の方はさらにはなはだしく、少くとも