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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
そしてそれとは反対に、昔は同じくエタと呼ばれたものの子孫で、自分にも、他からも、その素性が忘れられて、立派な身分として世間に納まっているものも少くないはずです。ただ徳川時代の太平が、万事現状維持の政策によって保たれました結果として、彼らはその落伍の地位に釘付けられて、それが年代を経るにしたがって、ますますはなはだしくなったというにすぎないのであります。
しかしながら、かくの如きの階級的差別は畢竟人為的のものであって、人間と人間との間にそう相違のあるべきものではありません。ことに祖先以来同一国内に住居する同一の日本民族なるにおいて、決して永くその差別を保存すべきではありません。古代の賤民たる家人、奴婢らが、単に境遇上から、国法上にまで差別されておったけれども、一旦解放さるればいつでも良民となりえたと同じように、子孫永くその賤民たるの地位を世襲せしめらるべき者ではありません。果たせるかな、徳川時代の末において旧幕府は、まずもって長州征伐の功によって、浅草弾左衛門及びその囲内の者等を解放して平民にのぼせました。大阪の渡辺村からもエタの称を除かれたいとの請願書を出しました。