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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
5 川上の唱門師、付唱門と夙及び猿楽との関係
といっているのは、よしや確かなことではないとしても、それが唱門師とのある関係を示しているのではなかろうかと推測するのは、あながち無稽の臆測とも言われまい。あるいはその北方なる納院町を、かつて八屋辻子といったのも、またこの地の唱門師に縁がありげに思われる。ハチヤの名は山陰道筋に多く行われて、山陽道筋の茶筅に相対した類似のものだが、大和においてもかつて一種の警吏や、隠坊のたぐいをハチヤと呼んでいたことから考えると、そしてそれがいわゆる唱門師の徒であったことに思い合わせると、この八屋辻子の名も軽々には看過することができない。(『民族と歴史』第三巻第七号〈俗法師考の三〉=一九二〇年六月)
5 川上の唱門師、付唱門と夙及び猿楽との関係
川上の唱門師は『雑事記』に五ヶ所・川上・十座と連称して、別に一部落をなしていたものらしい。川上町の名は今も奈良市の北部、奈良坂の南に存し、北御門・出屋敷・東の坂など、またみな古えの川上郷の中である。ここに一種の賤者の居たのは由来すこぶる久しいもので、すでに鎌倉時代末元亨四年の『東大寺文書』年預所下文に(この文書は文学士中村直勝君より示されたる写しによる)、