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ぞくほうしこう
差別の根源を考える
喜田 貞吉
喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页
6 芝辻の唱門と、その後裔、付十座唱門のこと
そしてそれがいわゆる川上の唱門によって、因縁をたどることができそうに思われるのである。
前号所載「五箇所唱門」中の中尾部落の所在不明と書いておいたが、唱門辻子なる陰陽町に中尾氏なる陰陽師があって、もと吉備公の後裔で、吉備塚の辺りに住み、地名から中尾と称したと伝えられていると、森口奈良吉君から注意された。森口君は陰陽師と唱門との関係について異議を申されたがそれについては改めて弁明したい。
(『民族と歴史』第四巻第一号〈俗法師考の四〉=一九二〇年七月)
6 芝辻の唱門と、その後裔、付十座唱門のこと
『大乗院寺社雑事記』にしばしばその名の見える芝辻の唱門は、今も奈良市の西北隅に、その地名がそのままに存していて、明らかに往時の所在を示している。位置は五箇所の唱門が奈良の南の町はずれにあり、川上の唱門が北の町はずれにあるのに対して、これは西北の町はずれに占拠していたのである。その芝辻とは実は芝辻子の訛りで、ここに唱門屋敷のあったことは、『雑事記』文明十一年八月七日条に、
芝辻子唱門屋敷事、同巨細申‐二入之一相憑旨仰了。
とあるのによって知られる。芝辻子の名は、けだしもと空閑の芝地を開いて辻子(小路)となし、唱門屋敷を設けたので得た名であろう。