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ぞくほうしこう

差別の根源を考える

喜田 貞吉

喜田貞吉『差別の根源を考える』。同一底本的分册已合并为一书。收入:俗法師考、融和促進、融和問題に関する歴史的考察。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 147,985 字 · 289 页

青空文庫

これらはいずれも自度の沙弥で、養老の詔に指摘したる、僧尼令にいわゆる僧尼以外の俗法師ではあるが、ともかく奈良朝において、すでに僧侶としての存在が認められていたのであった。そして戒律のやかましかった時代において、肉食妻帯公許の宗旨を発明したのが、必ずしも親鸞上人を始めとするものではないことを示しているのである。

僧と尼とが夫婦になっていた話も『今昔物語』にみえている。大和の吉野に説教をもって業として世を渡る祥蓮という僧があった。その死んだ後に、その妻の尼が祥蓮の地獄に堕ちたのを夢に見て、地蔵菩薩の像を造り、亡夫済度の祈願を籠めたところが、その功徳によって祥蓮は極楽に往生したとある。かの一遍上人は二人の妾の嫉妬を夢に見て道心を起し、出家得道したところが、二人の妾も同じく出家して上人に従った。「時宗に尼を妻とするは此故にや」という話があるが、僧尼の夫婦の由来はさらに久しいものであった。また大安寺の別当僧何某には美しい娘があって、そこへある蔵人が通うていた話も『今昔物語』にある。その蔵人の夢に、舅の僧娘の尼君より始めて、銅の熱湯を飲まされていることを見て、恋愛の念も醒めはてたとある。