轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かれがころしたか

彼が殺したか

浜尾 四郎

「新青年」1929(昭和4)年1~2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 41,336 字 · 83 页

青空文庫

何たる安価な報酬であろう。

生命のいらぬ人々よ、君等の魂を悪魔に売りつけよ。生命を以て価とせよ。然らば君等には不可能ということはなくなるであろう。

正義よ、幾度汝の名によりて血が流されたことであろう。

法律家達よ。君等は今この俺の手記を信ずるか、信じないか二つの途しかもっていない。若し信ずるとせば君等の力のはかなさを感ずるであろう。君等は、仮令、俺の罠に陥ちたのであるとするも、全然無辜の一人を死刑に処したことになるのだ。之は君等が恥じてよいことだろう。又若しこの手記を信じないとすれば、これ又我が思う壺である。君等は法律を利用して貞淑であった一人の女性に対し、――それは既に死んでいるが為、何ら自分を弁護するに由なき女性――姦婦という死刑以上の烙印を永遠におしたことになるのだ。俺は笑う、心から!

おお道子よ! 愛する道子よ!

お前は俺のものだ。俺の恋人だ。……

道子! しかし……

お前はほんとうはやはり淋しかったのではないか。清三はほんとうにお前を愛していなかったのではないか。仮令、肉体的に、性的には調和した夫妻ではあったろうが、精神的には淋しかったのではないか、それで俺にいろいろ話したのではないのか。