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おもいだすことなど

思い出す事など

夏目 漱石

经历生死关头后,作者用细腻笔触回忆那段病中时光,那些细微的光影与人事,读来既心酸又温暖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,003 字 · 113 页

青空文庫

薄は大概すぐ縮れた。比較的長く持つ女郎花さえ眺めるにはあまり色素が足りなかった。ようやく秋草の淋しさを物憂く思い出した時、始めて蜀紅葵とか云う燃えるような赤い花弁を見た。留守居の婆さんに銭をやって、もっと折らせろと云ったら、銭は要りません、花は預かり物だから上げられませんと断わったそうである。余はその話を聞いて、どんな所に花が咲いていて、どんな婆さんがどんな顔をして花の番をしているか、見たくてたまらなかった。蜀紅葵の花弁は燃えながら、翌日散ってしまった。

桂川の岸伝いに行くといくらでも咲いていると云うコスモスも時々病室を照らした。コスモスはすべての中で最も単簡でかつ長く持った。余はその薄くて規則正しい花片と、空に浮んだように超然と取り合わぬ咲き具合とを見て、コスモスは干菓子に似ていると評した。なぜですかと聞いたものがあった。範頼の墓守の作ったと云う菊を分けて貰って来たのはそれからよほど後の事である。墓守は鉢に植えた菊を貸して上げようかと云ったそうである。この墓守の顔も見たかった。しまいには畠山の城址からあけびと云うものを取って来て瓶に挿んだ。それは色の褪めた茄子の色をしていた。