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おもいだすことなど

思い出す事など

夏目 漱石

经历生死关头后,作者用细腻笔触回忆那段病中时光,那些细微的光影与人事,读来既心酸又温暖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,003 字 · 113 页

青空文庫

三十三

万事休時一息回。 余生豈忍比残灰。

風過古澗秋声起。 日落幽篁瞑色来。

漫道山中三月滞。 ※(「言+巨」、第3水準1-92-4)知門外一天開。

帰期勿後黄花節。 恐有羇魂夢旧苔。

三十三

正月を病院でした経験は生涯にたった一遍しかない。

松飾りの影が眼先に散らつくほど暮が押しつまった頃、余は始めてこの珍らしい経験を目前に控えた自分を異様に考え出した。同時にその考が単に頭だけに働らいて、毫も心臓の鼓動に響を伝えなかったのを不思議に思った。

余は白い寝床の上に寝ては、自分と病院と来るべき春とをかくのごとくいっしょに結びつける運命の酔興さ加減を懇ろに商量した。けれども起き直って机に向ったり、膳に着いたりする折は、もうここが我家だと云う気分に心を任して少しも怪しまなかった。それで歳は暮れても春は逼っても別に感慨と云うほどのものは浮ばなかった。余はそれほど長く病院にいて、それほど親しく患者の生活に根をおろしたからである。

いよいよ大晦日が来た時、余は小さい松を二本買って、それを自分の病室の入口に立てようかと思った。しかし松を支えるために釘を打ち込んで美くしい柱に創をつけるのも悪いと思ってやめにした。