轻松读懂日语经典作品
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じょうき
情鬼
大倉 燁子
「踊る影絵」柳香書院、1935(昭和10)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,393 字 · 35 页
口惜しくって、口惜しくって、自分で自分が可哀想になり、しまいには腹が立って当り散らし、狂気のようになって小田切さんに喰ってかかることもありました、それだのに思い断って別れてしまおうという気にはなれないのです。私はほんとにあの人を愛していたのでしょう。愛してはいましたが、また一面では憎んでもいたのでございます。
私はいつでも自分で自分の心を判断するのに苦しみますが、どうしてこんなに愛している人が憎いんでしょうか。絶えず小田切さんをいじめる事ばかり考えていました。私同様にあの人も私がどんな乱暴な真似をしても、私から離れて行くことの出来ないのをよく知っていますので、それをいいことにして、いろいろと苦しめてやりました。その手段として撰んだうちで、一番効めがあったのは浮気をすることだったんですの。男から男へ渡り歩るくのを凝と眺めているのは、小田切さんにとっては実に辛かったらしゅうございます。それだけに迚も愉快でした。
『もういい加減に勘忍して下さい』
うめくように小田切さんがいいます。
『私と結婚すれば勘忍して上げるわ』
するとあの人は黙ってしまうのです、新夫人を迎えてから、彼と私とは始終口争いをして居りました。