轻松读懂日语经典作品
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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
部屋がいやに薄暗いと思ったら、もう夜になったのでしょう。一方の壁にかけてある、妙な形の石油ランプが赤ちゃけた光をはなって、ユラユラと左右にゆれているのです。
「ア、僕たち眠っていたんですか。変だなあ。どうしたんだろう。でも、もう帰らないとしかられます。サア、保君、哲雄君、早く帰ろう」
一郎君が、そういって、ヨロヨロと立上りますと、髭むしゃの大男と、水夫長とは、声をそろえてゲラゲラと笑い出しました。
「ワハハハハハハハ、帰るって、どこへさ。海の中へかい?」
「エ、海の中ですって?」
一郎君は、なんだかギョッとして、思わず聞返しました。
「ハハハハハハハ、まだわからないのかい。この船はもう港にはいないんだぜ。はしっているんだ。見ろこのゆれることを。広い広い海の中をはしっているんだ」
三少年は、それを聞いて、はっと顔見合わせました。なるほど、言われて見れば、エレベータにでも乗ったように、スーッと下へさがって行くかと思うと、フワッと上の方へ持上げられるような気がするのは、たしかに船が波をのりこえて進んでいる証拠です。耳をすませば、ザブンザブンとふなばたを打つ物凄い波の音も聞えて来ます。