轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
火と水
それにしても、少年達はなんという大きなえものを手に入れることが出来たのでしょう。
つい朝の間の一仕事で、家財道具から食糧までが、すっかりそろってしまったのです。無一物の貧乏人が、にわかに大金持になったようなものです。三少年は、まるで鬼が島から、がいせんする桃太郎のような気持になって、元気よく校歌を合唱しながら、それらの品々をつみこんだボートを、その砂浜へこぎもどすのでした。
火と水
それから三十分ほどのちには、難破船から持ちかえった品々が、洞窟のお家の中に、手ぎわよくならべられていました。
「すてきだねえ、いよいよここは僕らのお家になったねえ、武器もあるし、僕たちの記録を書きとめておく紙やペンもあるし、寝る時のシーツも出来たし、食糧はどっさりあるし、その上に魚釣やお裁縫の道具までそろったんだからねえ。これでもう何も心配することはないよ」
一郎君がその品物を見まわしてうれしそうに言いました。
「そうだねえ。僕たちはいよいよ島の王様だねえ」
保君も小おどりしながら答えました。ところが、哲雄君だけは、何だか困ったような顔をして、
「だが、僕はたった一つ残念なことがあるんだよ」