轻松读懂日语经典作品
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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
そのものは、頭も顔も一面に赤ちゃけた毛がモジャモジャと生えていて、口も鼻もわからないほどですが、ただ二つの目ばかりは、きちがいのように不気味に光っています。不思議なことにはその大きな目は、青い色をしているのです。
少年達は一瞬間、あのオラン・ウータンという大猿に出くわしたのだと思いました。一郎君はあまりの恐しさに、無我夢中で、銃の引金に指をかけました。
でも、今にも発砲しようとして、ふと気がつきますと、怪物はボロボロに破れたシャツのようなものを身にまとっていることがわかりました。猛獣オラン・ウータンがシャツを着ているなんて、なんだか妙ではありませんか。
そうして、ためらっている時、そばにいた哲雄君が、又別の事に気づいて、一郎君の腕をつかみながら、あわただしく叫びました。
「一郎君、うっちゃいけない。あれは人間だよ。ホラ、何か言っている、けもののうなり声とはちがうよ」
三人は思わず耳をすましました。ポパイの声がやかましくて、よくは聞きとれませんが、怪物はたしかに何か物を言っています。しかし、その意味はまるでわかりません。日本語ではないのです。
哲雄君はすばやく頭をはたらかせて、そのわけのわからない言葉と、さいぜんの十字架に彫りつけてあった外国語とをむすびつけて考えました。